心あれば伝わるはずだ。

ギターのハリーさんに私がやりたい構成を伝えにいきました。

お願いがあります。

私をサポートしてください。

まず、私が吹きます。

次にワンコーラス歌います。

その後、brotherに歌ってもらいます。

最後にハーモニカが二本になります。

どちらがメインということはありません。

テンポは私に合わせてください。⬅︎ここっ!

これ、よく言えたもんだな私!

おいっ!何様だ!

と、、、

時間が経った今なら思えるのですが、、

あーあ。

身振り手振りを交えた必死の英語が伝わったのか、

OK!彼にも言っておいで、みたいな返事。

多分、伝わったであろう、、、

伝わってなくても、ミュージシャンならその場でなんとでもなる。

brotherにも無事伝えて、

あ、、、。

さあ!

という時にまたっ!

おい、またかよっ!

なんだよ、あ、、って!

ゴルァーーー!余計なこと考えんなあー!(けいこ心の声)

なんか無性に、しゃべりたくなりました。

なんというか、、、。

どうして私がここにいるのか、満員のお客様にも知っていただきたくなったのです。

そして、コンマ10秒で辿った時に浮かんだ、地元、南相馬市で頑張る仲間たちの顔

地元の仲間と一緒に歌いたくなったのです。

グダグダセッションから、けいこのステージ!になった時点で脳みそは7割方ショートしているわけで、、

文章でのきちんとした英語なんて、数少ないボキャブラリーなんて、全部ぶっ飛んだ脳みそなわけで

そのまま

私はしゃべりだしました。

ええええいっっ!

なるがままよ!

伝わればいい

いや、絶対伝わるはずだ!!

震える手でマイクをつかみました。

ハロウ!

こんにちは、皆さん!

私は、けいこです。

私は、ハーモニカプレイヤーです。

日本から来ました。

私は今、本当に嬉しい。

ありがとう!

皆さん、、私、2、3分、話してもいいですか?

皆さんのふるさと、それはここシカゴです。

私は東京に住んでいます。

でも、私のふるさとは福島なのです。

四年前、福島は大きな地震に見舞われました。

その時、私には何も無くなりました。

私が持っていたのは絶望でした。

でも、、、

彼の音が私を救いました。

彼のサウンドと歌が私を救いました。

そして、私は

希望を持ちました。

私はこれから演奏します。

私は歌います。

福島への思いと、私の地元の友達と、愛と希望と一緒に歌います。

OK?

だから、、、

だから私は日本から

彼にありがとうを言いに来ました。

それが彼!

ミスター、シュガーブルーです!

ありがとう!ブラザー!!

うわあーーー!ひゅーー!て、歓声が上がりました。

湧き上がる歓声を聞きながら、むちゃくちゃな英語でも伝わったことの嬉しさと、ありがとうが言えた喜びが、身体中を満たしていくのがわかりました。
やった!!

お母さん、やったよ!

私、良くしてくれたひとに顔見てありがとう、て言えた!

なんかよくわかんないけど、シカゴの皆さんにも言ってみた!

brotherは、しずかに、とても優しく

Thank you, Keiko...と、言ってくれました。

さあ、、、

はじめよう
マイクをつかんだ手は震えていたのに、

心の中は、波一つない凪のようでした。

遠い土地、このシカゴで

幼いころに見た、今はもうない

小高の海の朝凪が、私の心にありました。

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