良くしてくれた人には顔を見てお礼を言え。

少しずつ、少しずつ、英語を勉強しました。

ブラザーと話したくなったから。

シスター、、、

ものすごく嬉しいのに、1人で泣き叫んだのに、最初は感覚が掴めなかったです。

私の中での、ブラザー、シスター、の呼び名は、山田詠美さんの小説の中での話で。

彼女の小説の中では、ブラザー&シスターは、親しみと信頼と家族の絆を現す、、とあったように記憶しています。

シスターと呼ばれて、ものすごく嬉しいんだけど、、、いいのかなあ、私、、みたいな。

でも、彼と、拙い英語でやりとりを重ねるうちに、

あ!

いいんだ!

お兄ちゃんなんだ!

て思えたのです、笑

彼はよく、私に迷いが生じた時、

Go! Shimai! you are samurai garl!

そんなメッセージを送ってくれていました。

いつか、お兄ちゃんに会いたいなあ。

そして

一連の流れの中で、毎回、母との会話を思い出すのです。

私は号泣したその日に、何故か母に電話をしました。

留守電だったけど、

お母さん!私、すっごい嬉しいことがあったの!だから、、、嬉しいをお母さんに聞いて欲しくて!

数分後、母から折り返しがあり

なにー?そんな嬉しいごどがあっだのが!お母さん嬉しいしたー!けいこちゃんがそんなに嬉しいなんて、お母さんも嬉しいど!けいこちゃんがそんなに嬉しいなんて、お母さんけいこちゃん産んでよがったあ!

その言葉を聞きながら泣いている私に、母は、こう続けたのです。

その人は、何人だ?

アメリカ人、、

んだのが。

お礼言わねっがダメだべした!

え?無理だよ、だってアメリカ住んでるし、グラミー賞とってるような人だよ。

ほいづは何だ?FNS歌謡祭みでなもんか?

んだなー、まー、ちょっと違うげど似たようなもんだな。

ダメだべした!良くしてくれだ人には顔みでお礼言わねっか、ダメだべした!

え、、だから、、、アメリカ住んでるし、、

ダメだべした!

ちゃんとしねっが、ダメだべした!

ダメだべした!

顔見でお礼言わねっか、ダメだべしたー!

(ー ー;)

相馬弁の恐怖、ダメだべした攻撃。

会いに行こう!

彼に会って、私は彼の顔を見て、

ありがとう!て、言うんだ。

いつだって、私の背中をポンっ!じゃなくて、うおりゃー!がつっ!て、押してくれる母なのです。
そして、準備を整え、飛行機チケットも買って

私、シカゴに行ってくる!

そう電話した翌日、借り上げ住宅に住む年金暮らしの父から、いくばくかのお金が振り込まれていました。

驚いて電話をすると、

こづかいだあー!

て笑っていました。

涙がこぼれました。

二十数年ぶりに親からおこづかいをもらって、私はシカゴに出発しました。

子どもの頃から教えられ続けた礼儀。
良くしてくれた人に顔を見てお礼を言うために。

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keiko