海の翼。

私の大好きな本を
紹介させてください。

映画を見て涙が溢れることがあります。
音楽を聴いて胸がしめつけられることが
あります。
沢山あります。
幾度となく、そんな経験を
繰り返してきました。

でも
本は

号泣しながら読んだ本は
私は
この一冊だけです。

先のブログに書いた
私の幼馴染み。

似ているのです。

私の実家は
福島県南相馬市小高区
というところにあります。

小高
私が育った町です。

東日本大震災
水素爆発が起こった直後
強制避難となりました。

東京にいて何も出来ない私

気になる人達と
連絡がとれない不安は
心配は

文字通り
身体が震えました。

絶望という言葉の意味を
噛み締めました。

当時の状況は
まるで戦地そのもので

先が見えない混乱と


生き死にというものを
初めて身近に感じた経験でした。

偶然にも
幼馴染みの彼と繋がった時
彼は町を出た瞬間でした。

今あるだけのガソリンで
どこまで行けるのか

そんな状況の中で

おけいの両親は大丈夫なのか?
と聞かれたとき

まだ連絡がつかないこと
生きているか死んでいるかも
わからない

そう伝えた時
全身に力を入れて
歯をくいしばっていたのに
声を出して泣いてしまいました。

わがった!
戻って、おけいんち、見でくっから!

ダメだ!
逃げろ!
戻っちゃダメだ!
お願い、逃げて!
戻んないで!

その後
彼に会えたのは
その会話から一年以上も経った時でした。

この本の中に登場する
伝造という青年

荒っぽく乱暴で
無鉄砲
あんまり頭が良くない感じで
誰よりも誰よりも熱い心

読みながら
んー?
誰かに似てんなあ、、

この感じ
私、知ってる、、、

!!!
あーーー!

気づいた瞬間
幼馴染みにも読ませたくて
仕方なくなりました。

でも、あいつ馬鹿だから
漢字読めないかもなあ、、、

笑いが込み上げてきました。

そんなところまで
そっくりだ、笑

伝造が必死になって頑張る場面が
おけいんち、見でくっから!
の場面と重なり

何度も何度も
思い出してしまいました。

この本を読むと

どんな思想が
日本人の足を引っ張り

どんな精神が
日本人の誇りなのか

痛切に感じずには
いられません。

現代の日本にも
容赦なく当てはまります。

そして恐ろしいことに
これは実話なのです。

伝造の台詞
「 わしらぁ、にっぽん人やぞっ 」

という台詞が
私は一番好きです。

本の中で、時間がすすむにつれ
偉い立場の
名のあるひとが
何人も活躍していきます。

でも

一番最初にそれを
方向付けたのは

小さな村の
名もなき青年

伝造なのです。

あー、、、
一緒だ、

私ら、みんな
必死に頑張った

それぞれの立場で
それぞれに頑張った

まだ終わりじゃない
途中だけど

でも

だから今
南相馬市には笑顔がある

でも同級生の誰もかれもが
あいつの

絶対、生き延びてやっかんなあっ!
て台詞が

きっと心の底に根付いて
あるからなんだ。

だから
頑張ってこれたんだ。

もし良かったら
読んでください。

海の翼

という本です。
  

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