小高。

こっそり



ひっそり



堂々と





おだかに行ってきた。



福島県南相馬市小高区
私の実家



たくさんの楽しい嬉しいこと
出会い

ほんの少しの絶望




現実





三年と一ヶ月ぶりに
実家に入れた



嬉しかった



三年は長かった



実家に入れた



なんか

もう、言えないぐらい
嬉しかった





どれだけ時間がかかっても
実家の茶の間で
両親とお茶を飲みたい



それが私を支える希望だった



実家に入れた




住人がいないまま
三年たった茶の間を見て


もう永遠に
この家でお茶を飲むことは
できないのかもしれない






ずっと見ないようにして
ずっと蓋をしてきた
絶望というもの





入らなければ
よかったのかもしれない


現実を知らなければ
ずっと希望を持って
いられたのかもしれない




二階の私の部屋の窓から
身を乗り出して



近所を見渡した



誰一人住んでいない近所を見渡して




もう一度だけ
三年前を味わいたいと思ったら





胸が苦しくなった




喉が苦しくて
息が出来ないんじゃないかと思った



窓から入る風だけは





風だけは




浜風のままだった


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keiko