帰りに一杯。2

しばらく笑って
ビール飲んで
いい気分。


じゃ、そろそろ日本酒いくかー?
と笑う彼。




次に私の前に出されたもの



それは、なんと


磐城 壽 いわき ことぶき
鈴木酒造さんのお酒でした。


鈴木酒造さんは
福島県双葉郡 浪江町にあった酒蔵です。



私の実家、南相馬市 小高区よりも
原発に近く

浪江町が再建される動きは
まだ私には何もわかりません。


震災で鈴木酒造さんも
酒蔵がやられ

東北のどこかへ避難されたと
聞きました。

代々続いた護ってきた家業が
無くなるて、

どんな気持ちなんだろう。


ご無事でよかった、、
と思う気持ちと

もう二度と
鈴木酒造さんのお酒は


飲めないのか、、


という残念と絶望が入り混じった気持ち。




でも、震災から
あまりにも長い時間がたち
日常からは
そんな気持ちも
遠く離れていっていた矢先の
出来事でした。




これ!!
これ!
どうしたんですか?!!


つかみかかるように
食いつく私に

彼は笑いながら

まるで昨日のテレビ番組の内容を
話すような
軽いテンションで



話してくれました。




一ヶ月ぐらい前に
マスターとお酒の話をしていたこと

日本酒の話の流れで鈴木酒造さんの
話がでたこと

鈴木酒造さんが山形でまた
お酒造りを頑張っていると知ったこと

けいこに飲ませてやりたいと
思ってくれたこと

マスターに頼んだこと

マスターがあらゆるつてを辿って
避難先でまたお酒をつくりはじめた
鈴木酒造さんに連絡し
東京の、このお店に
直接仕入れてくれたこと

やっと鈴木酒造さんの日本酒が
入荷して


私を誘ったこと





美味しかった。


今にも
涙がこぼれてきそうで


我慢して、我慢して、
ぐい飲みで

クイッと、飲んだ。



優しい
染み入る
お酒


たった一人の私の為に
わざわざ仕入れられた
このお酒が


帰りに一杯!


なんだ?(笑)




なんか、
もうだめだー、
て泣きそうになったころ


もう1人の友人が到着。

明るくて、なんでも
どんな話でもユーモアに変えてくれるような彼のおかげで
泣かないですみました。


ありがたかったです。




そこからは3人で馬鹿話。
磐城 壽は本当に美味しかった。
ゲラゲラ笑いながら飲むこのお酒と時間が
本当に嬉しかった。



けいこちゃんは、
やっぱ
笑ってないとねー!

て、言われました。




とりあえず、帰りに一杯!
て言葉が



一ヶ月前から準備する言葉なんだって、






私は今まで


知らなかったよ。




ありがとう。

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keiko